Regeneron ISEF 2023体験記(水谷紗更)

東京都立小石川中等教育学校 水谷紗更

こんにちは。UTokyoGSC三期生の ”エアロゾル水谷“ こと、水谷紗更です。

私と同期のバイオリン田中くんは、共に日本代表として、「リジェネロン国際学生科学技術フェア(Regeneron ISEF 2023)」に出場してきました。


オープニングセレモニー


私が主に研究している、エアロゾル粒子というものをご存じでしょうか?正確な定義はさておき、簡単に言ってしまうと、「空気中の微粒子」です。私はこのエアロゾル粒子のことを中学3年生の時に知り、UTokyoGSCのプログラムを通して、これについて研究してきました。プログラム初期の構想である“炎色反応を用いた換気効果の評価法”から何度かタイトルは変わり、ISEFでは、”Measuring and Visualizing the Concentration of Aerosol Particles Using Flame Photometry- 炎光光度法を用いたエアロゾル粒子の濃度計測と可視化手法の開発“ として発表を行いました。

UTokyoGSCは一貫してSTEAMの精神に重きを置いており、様々な分野同士が深くつながっていることを、プログラムを通して学びました。これによって、様々な分野で研究されているエアロゾルの特性を生かし、研究の原理の探求から応用まで、幅広く多角的なアプローチで研究を行うことが出来、視野の広がりを実感しています。

ISEFでは、参加に必要な書類・発表資料はもちろんのこと、発表や質疑応答も英語で行われます。ですが、UTokyoGSCで英語論文の読み方の講義があったこと、また、研究室で研究の詳細を相談するときに場合によっては英語を使っていたことから、大きな不安なく参加することが出来ました。英語論文を一通り読んでいたおかげで、知らない専門用語に出会って困惑することもなく、有意義な発表をすることが出来ました。


発表ブース(一般公開日だったので、日本の伝統文化として浴衣を着ました)

質疑応答がメインの審査だったので、専門的な内容を受け答えできるか少し心配していましたが、練習の成果もあり、白熱した議論を行うことが出来ました。審査が終わった後の感想は、「まだまだ大勢の人と議論したい!!!」と、審査とはいえ、とても楽しみながら議論を行うことが出来ました。

審査日の翌日は一般公開ということで、研究者以外の方に向けて発表する機会が設けられています。沢山の地元の中高生や一般の方々が、興味を持って研究を聞きに来てくださり、気づいていなかった自分の研究の面白さなどを、改めて発見することが出来ました。また、ISEFには約1,800名のファイナリストが出場しているので、自分の研究と関連のあるテーマや分析手法の人を見つけることが出来ます。私の研究は割と珍しい部類だと思っているのですが、ISEFでは同じCFDシミュレーションを用いている人に出会うことが出来、あるあるなんかを共有して盛り上がったり、悩みを相談出来たりと、素敵な交流が出来ました。


一般公開で研究を紹介している様子

残念ながら、私はISEFで受賞することは叶いませんでしたが、国際大会に向けて英語で準備をし、発表し、様々な人と交流するという、本当に貴重な体験をさせていただきました。今回の経験をもとに、これからも自分の興味のあることに挑戦し続けていきたいです。